私と福岡~福岡在住外国人インタビュー

Vol. 4  柳 基憲(韓国出身)

福岡(日本)に来たきっかけを教えてください。

九州大学の留学生として18年前に来福してからずっと福岡に住んでいます。福岡は市内の真ん中に空港があって、午前中に飛行機に乗ると午後に韓国ソウルの実家に着くほど近いことから福岡に定住しようと決めました。他の大都市に比べてすごく住みやすいし、物価も安く、車で少しだけ出れば海や山など自然景観があるので、週末はほとんど家族と余暇を楽しんでいます。

現在、福岡でどのような活動(仕事など)をされていますか。

Global Connect Kyushu株式会社(グローバルコネクトキュウシュウ)の取締役を務めています。九州地区の外国人留学生や卒業生、そして外国人留学生を支援する日本人のコミュニティです。現在、57か国340名の会員がグローバルリポーターとして登録されています。彼らは各地域で、企業や大学、団体等からの依頼を通じて、モニターツアーのような外国人を対象とした地域広報活動、国際交流でのチューター活動、企業の既存の広報動画に多言語字幕及び吹替の多言語サポートをするなど様々な活動をしています。

また、「外国人本音トーク」というインターネット放送と外国人留学生が地域で活躍している著名人をインタビューする「Japan Kyushu BOSS:私は多文化相談委員」を実施し、YouTubeチャンネルでも発信しています。ご興味がありましたら、是非チャンネル登録をお願いします。

(上記の)活動または生活する上で、困った事、大変だった事はどのように乗り越えてきましたか?

外国人として、日本でソーシャルビジネスをするには壁がとても厚かったです。しかし周りからたくさん助けていただいたお陰で、福岡市だけではなく、その周辺の自治体にも支部ができるなど、活動範囲が広がっています。外国人として日本で就職、起業することはすごく難しかったのですが、今まで自分が経験してきた活動や知り合いとの縁が、今の活動に繋がったようでとても嬉しく思っています。今後は外国人留学生を含んだ外国人住民と地域を繋いで、新たなソーシャルビジネスをもっと作っていきたいと思います。

現在の福岡での生活についての感想を聞かせてください

私は福岡が大好きです。第ニの故郷と思うほど福岡に対する愛着が強いです。ビジネスと余暇生活を同時に楽しめるコンパクトな都市規模と活気が満ち溢れる都市の魅力で、毎日ワクワクして過ごしています。

その他皆さんに伝えたいメッセージがあればお願いします。

福岡にいらっしゃる外国人の皆さん、コロナで日常生活、仕事、プライベートなどのパターンが変わっている今をチャンスと捉えて、お互い助け合える活動を、まずはオンラインでも行動に移してみるのはいかがでしょうか?また、福岡には外国人のための様々な支援活動があります。外国人のための医療通訳サービス、人権相談などを活用すると、日本で生活していく中で、結構役に立つと思います。最後に、グローバルリポーターの活動にご興味のある方は、いつでも大歓迎です!どうぞよろしくお願いします。

 

Vol. 3 Phillip Jacobson(オーストラリア出身) 英語教育の会社の経営者

福岡(日本)に来たきっかけを教えてください。

日本に来たのは単なる好奇心でした。15歳の時、福岡で10日間ホームスティの機会があり、目から鱗が落ちました。オーストラリアの学校で日本語を勉強していた時、言語と文化がいかに密接に関連しているかを知り、目の覚める思いをしました。

現在、福岡でどのような活動(仕事など)をされていますか。

日本での起業や日本関連の事業に興味があり、日本語を話すのも楽しいです。ハイコンテクスト*1言語である日本語にとても興味があります。母語の英語には日本語と同じ形での敬語、謙譲語、丁寧語は存在しません。日本文化は日本語、日本人の性格にも反映されていると思います。オーストラリア英語はかなりカジュアルでフレンドリーです。オーストラリア人の楽観的な性格を反映しているんですね。
仕事は英語教育の会社の経営です。日本各地で実践英語を中心としたイマ―ジョンプログラム*2を行っています。リーディング中心あるいは一方的に教えるのではなく、活動や経験から学ぶ実践的な英語を教えています。当社のサマーキャンプには、英語を学びに参加する日本人との交流を求めて、佐世保米海軍基地のアメリカ人も多く参加しています。

 

*1 ハイコンテクスト:「言わなくても分かってもらえる」「暗黙の了解」「空気を読む」など、コミュニケーションがコンテクスト(言語外の情報)を重視する度合いが高いこと。
*2 イマ―ジョンプログラム:未修得の言語を身につける学習方法の一つ。

(上記の)活動または生活する上で、困った事、大変だった事はどのように乗り越えてきましたか?

自分の独断と感じることもありますが、文化理解のために最善を尽くすようにしています。

日本文化は物事がどういう結果になるのかと同じくらい、どうおこなわれているかに価値をおいています。そこで、自分の行動が周りの人にどう影響するかを理解しようと思っています。日本には暗黙の了解があります。それを理解するには時間がかかりますし、試行錯誤しますよね。私からの一番のアドバイスは、日本での生活に責任を持ってください、ということです。日本を非難したり、周りに否定的な態度をとると自滅してしまいます。

現在の福岡での生活についての感想を聞かせてください

仕事が充実していて、自分は社会に貢献できていると感じています。福岡は田舎と都会の生活バランスがとれていて、まちと海が近く、山もある素晴らしいところです。

その他皆さんに伝えたいメッセージがあればお願いします。

言語は扉を開くかぎです。海外から来た人は、日本語を理解するように努めてください。日本人は理解しがたいこともありますし、自分の立ち位置が分からなくなることもあるでしょう。先ほど言ったように、日本はハイコンテクスト文化です、つまり日本人は暗黙の了解のもとにコミュニケーションをしているのです。ですから、日本語を学ぶことが重要だと思います。

 

Vol.2 Ann UMEDA(スリランカ出身) 英語教師

福岡(日本)に来たきっかけを教えてください。

スリランカで90年代に学校で看護学生に英語と看護を教えながら、看護師/助産師として働いていました。そこで、日本の医療分野の最新技術に興味を持ったことが日本に来たきっかけです。

現在、福岡でどのような活動(仕事など)をされていますか。

私は英語を教えることと、英語・シンハラ語・タミル語を日本語に通訳する仕事をしています。私は福岡県国際交流センター主催の国際理解教育推進事業に参加しており、学校で自分の国スリランカの事を話したり、公民館でスリランカのエスニック料理を紹介したりしています。セブンスデーアドベンチスト教会の会員である私は、古着、靴、おもちゃ、文房具などを集めて、スリランカ、フィリピン、パプアニューギニアに発送しています。私の喜びは、ここ福岡に住む私の国の人々を助けることです。

(上記の)活動または生活する上で、困った事、大変だった事はどのように乗り越えてきましたか?

現在の福岡での生活についての感想を聞かせてください

自然、緑、山、川、丘、海に囲まれた福岡に住むことができて幸いです!

また、スリランカを市民の皆さんに紹介するアンバサダーとして福岡に住む機会を与えてくれた夫と息子に感謝しています。

その他皆さんに伝えたいメッセージがあればお願いします。

福岡市とその周辺には、英語で対応可能な歯科医・医師、クリニック、婦人科医、弁護士、離婚に関するアドバイス、カウンセラー、様々な相談や、あなたの質問に対する解決策を探している人がいれば、そのサポートはあります。

多言語の書籍がある本屋、引っ越し業者、家探し、ゴミ処理のことなど、様々な質問に関して、手遅れになる前に相談したほうがいいと思います。

福岡市外国人総合相談支援センターは、相談や質問があるあなたや私のためにあります!

 

Vol.1 蒋 晶(中国出身) 中国語学校代表

福岡(日本)に来たきっかけを教えてください。

私は、2000年に結婚を機に来日し、以来、ずっと福岡に住んでいます。 私は福岡がとても好きで、福岡の多くの人と同じように、うどんを食べる時は必ず牛蒡天、ラーメンを食べる時は硬め、博多駅に行ったらきっと並んでミニクロワッサンを買います。福岡市は、私にとって第二の故郷とも言える場所です。

現在、福岡でどのような活動(仕事など)をされていますか。

現在、私は「北京・ニーハオ中国語センター」という中国語学校の代表を務めています。 「北京・ニーハオ中国語センター」は、初級から上級までの中国語クラスに加え、中国語翻訳・通訳や中国語観光通訳ガイド試験などのコースもあります。 また、二胡、中国茶サロン、中華料理など、中国の伝統文化や芸術を紹介する特別コースも設けています。 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学校の授業は、従来の対面授業から、対面・オンライン両方の授業に変更しました。

受講生の年齢層は3歳から80歳まで、会社員、主婦、学生など、様々な方がいらっしゃいます。居住地は、オンライン授業の実施により、福岡から日本全国、さらには海外にまで広がっています。例えば、青森、東京、沖縄などです。海外では、タイや中国在住の方が受講されています。

また、教育と教務の傍ら、私は日本国外での博多文化の普及活動にも携わっています。中国の北京や上海、カナダのバンクーバーで博多ラーメンの出店を支援し、博多の食文化の紹介と普及に努めています。

(上記の)活動または生活する上で、困った事、大変だった事はどのように乗り越えてきましたか?

私はシングルマザーで、女性1人で異国の地で、2人の子供を育てながら仕事をしています。生活面でも仕事面でも大変でした。 幸いなことに、私は、中国語学校の学生、職場の同僚、周りの友人など、心優しい人たちにたくさん出会いました。彼らの励ましやサポートによって、私は困難をひとつずつ乗り越えることができました。

また、新型コロナウイルス感染の拡大により、対面による授業が難しくなりました。そんな中、オンライン授業を試し、生徒から支持と評価を得ることができました。生徒たちから大きな勇気とやる気をもらったから、今日まで頑張ることができたと思います。

現在の福岡での生活についての感想を聞かせてください

私は福岡が大好きです。 住環境や食文化も好きですが、福岡を好きになった最大の理由は、福岡の人たちだと思います。 周りの人たち、特に中国語学校の生徒たちの支えのおかげで、仕事が楽しく、毎日充実しています。

その他皆さんに伝えたいメッセージがあればお願いします。

私のように福岡に住む外国人にアドバイスするとすれば、常に自分が外国人であることを過剰に意識し、自分から周囲に溶け込もうとせず孤立しないことです。

福岡での生活をより幸せに、より充実したものにするためには、日本と母国の文化の違いを理解し、自分から積極的に日本の社会や文化に溶け込んでいくしかありません。ここに改めて、福岡の日本人友人たち、特に私の学校の生徒たちに感謝したいと思います。 いつも応援していただき、ありがとうございます。 これからも頑張っていきたいと思います。

 

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